◆技術を磨いて感動を届ける~株式会社大地農園~
- 2016/12/21
- 技術職

丹波市でも数少ない、家族経営から始まり今では190名以上の方が働く企業にまで成長した大地農園。名前だけ聞くと、お米や野菜づくりなどいわゆる農業に大規模に取り組んでいる会社なのかなという印象を受けますが、実はプリザーブドフラワー、ドライフラワーの製造・販売をしている会社です。
生花や植物の柔らかな手触りそのままに、美しさを長期間保つ『
日本や海外のトレンドに合った商品開発をするところから、加工する前の植物の生産、それぞれの植物に合った独自の加工技術の開発まで一貫して行っています。
お話を伺ったのは、大阪・神戸方面から中国道の滝野社ICを降り、175号線を20kmほど北上するとたどり着く、丹波市の1番南、山南町の工業団地内にある大きな工場の一角。ここで、この会社の中でも重要な加工部門の、設備の管理を任せられる方を募集しています。
代表の大地 伹さんにお話を伺いました。この大地農園は、昭和30年に大地さんのお父さん、大地 昌一さんが始められた会社です。
この会社は先代が始めたのですが、たまたまこの丹波の地で、山シダっていう山にあるシダを加工することから始まったんですね。それを真白くして針のようなイメージで生け花とかに使えるように、自然のものを加工して楽しんでいただくっていうところが、我々のスタートなんです。
私自身は、はじめはなんとなく、跡継ぎせなあかんかなってくらいでそんなに深く考えていませんでした(笑) 。でも先代の開発はなかなかおもしろい開発だとは思ってましたし、引き継いでからも、自分の代で開発したり、そこからさらに品質改善をするのは面白かったです。
1種類の植物から始まった会社が、今いろんなものが加工できるようになってる。この加工技術、材料の調達力とかそういったところが我々の一番の核になる所ですね。技術を磨いてものを作る、その作ったものが感動に結びつくっていうものづくりの会社であるというのは、創業時から変わらないと思います。
「基礎は先代が作られて、海外も含めた調達力を作られたのは今の社長かな。」と話されるのは入社して16年の総務部長の利根さん。
大地農園は自社で農園を持っている一方、ケニア、ノルウェー、インドなど海外23ヶ国の農場と協力し、植物の生産の部分から積極的に関わられています。
植物っていうのは世界中で、最適というか育ちやすい気候や環境があって、1番いい条件で育ってる植物を仕入れるようにしています。例えばバラなんかは、日本だと4月や5月だけと、いい状態のものが出来る期間が限られます。だからケニアやコロンビアなど、日本の5月の気候が年中続いてるようなところで、現場と密にやり取りをしながら作っています。この品種のバラをこういうふうに作ってほしいっていうところから始まります。だから競争相手がやろうとしてもなかなか難しいし、我々でもすぐに商品出せないし、割とロースパンなんです。
一方で、日本のものは近くで取れるとよりフレッシュな状態で加工に入るので、より品質が高まるというメリットもあります。だから、我々自身も栽培をどんどん増やして、新しい品種も増やそうとしていて、今も会社の近くの栽培場で何十種類というテスト栽培のものを育てています。
今市島町でしている紫陽花なんかも、もともと古くからお寺にあった日本のオリジナルの品種なんですよ。紫陽花はもともと日本の原産のものが多くて、それが一旦オランダとかで品種改良されて、大きいカラフルな紫陽花になってるものが多いんです。
6月、7月に花を咲かせるのは簡単なんですけど、8月の末まで咲かし続けて、花びらをしっかりさせてから加工に入るという栽培技術を確立するのにも時間がかかりました。十数年失敗もたくさんしてきて、やっと他に広げてもそんなに手間を掛けずに作ってもらえるというレベルになりました。加工技術の開発はもちろんですが、生産部門では栽培技術の研究にも力を入れています。
生産部門ももちろんですが、加工技術の開発も大地農園の要となる業務です。
毎朝散歩して四季を感じるんですけど、やっぱり日本独特のものを商品化できると評価が高いです。日本の方たちももちろん好きだし、海外の方たちもオリエンタルなイメージで好んでくれます。先日のオランダでの展示会でも大きい蓮の花が特に興味を惹いてましたし、もみじでも日本みたいに小さくてあれだけカラフルなものは海外にもなかなかないので。今一生懸命取り組んでるのは、竹の笹を巻かないように加工するということです。
できればいいなというのはたくさんあるんですが、なかなかうまくいかないんです(笑)。植物によってももちろん加工方法が全然違うし、失敗の積み重ねです。失敗ばっかりしてても仕方ないですが、失敗がどういう原因かが掴めたら進歩です。
バラの花でもね、本当はよく見ると、バラの先端は色が薄くなったり芯の部分はちょっと濃かったりするんです。ところがね、我々のバラは染めるだけなんで、やっぱり同一になっちゃうんですね。それが今実験中の新しい技術を活かせば、より自然に近いカラーリングができるようになります。今はまだ実験段階ですが、それが実現すればワンランク上の新しい商品をお客様に届けることができるようになります。
ワクワクした様子でこのお話をされていることからも、社長さんがいかに現場が好きで、この仕事を楽しまれているのかがとても伝わってきます。実際に今でも年間60〜70日、海外で現地の農場の方とお話をしたり、新しい材料を探しに行かれているそうです。
先ほどの利根さんもこう話されます。
社長はとにかく現場へ入っていって、スタッフへの声掛けも積極的にするので、若い新入社員なんかでも、社長と接する機会が非常に多いんです。そうすると身近に話をする機会も多くなるし、そういうところがいいんじゃないかと思います。それに、夢のある会社やなーと社員として思える方向にどんどん進めてくれるので、やりがいも感じられると思います。
続いて、従業員の足立さんにお話を伺いました。募集する職種とは違いますが、足立さんも丹波市にUターンされて、10年ほど大地農園で働かれています。
高校までは丹波市にいて、それから北海道の大学に進学して、13年くらい札幌に住んでいました。丹波市に帰ってきてハローワークで職を探していたときに、大地農園の求人票に“日本一の会社です”って書いてあったんです。調べてみるとプリザーブドフラワーと書いてあって、当時は何も知らなかったんですけど、おもしろそうだなと思って希望したら採用していただけました。運がよかったと思います。
足立さんのように、親御さんや親戚などの紹介で優秀な方が入社されるケースも少なくないそうです。入社したときは仕入れ業務の担当で、海外出張も多く、仕入先の相手と話をしに行ったり、新しい素材を見つけに行ったりされていたそうです。その後、技術開発課に異動になり、現在もそこで働かれています。
大きく言うと、プリザーブドフラワーの加工に関する技術開発をしています。新しい商品の加工方法の決定とか、新しい加工技術を考えたりとか。同じ植物でも収穫する時期によって違うし、植物に応じてどんな薬品の組み合わせがいいのかとか、日々実験です。
仕入れのときは仕入れのときで違うおもしろさがあって、今度技術開発になると、会社の中でも重要なとこなんで、責任もあるし、その分ここにしかない技術を作ってるって考えるとおもしろいですね。あときれいにできたときとか、予想通りにうまくいったときとかはやっぱり面白いです。他に参考にできるような研究がされてるような分野ではないので、自分で想像しながら組み立ててやらないといけないのとか、やってみないとわからないっていうのがほとんどなので、大変な部分もありますけど、そういうところが面白いのかなと思っています。
会社としてもおもしろいことをやってるところだなと思ってて、他に同じようなことをやってる会社って日本でほとんどないし、植物自体ももともとはそんなに興味のある方ではなかったんですけど、世界中にこんないろんな不思議な形の植物があるんだとか、やってみると植物の中での分からない部分がいっぱいあって、常に興味がずっと続きます。
現在、技術開発課は足立さんを含め4名で、農学部卒でインターネットで募集を見て興味を持ち、県外から入社してこられた方もいらっしゃるそうですが、会社全体としてはUターンなど、地元出身の方が多いそうです。
自分の目でみてまずは自分なりに判断をするっていうのを大事にしてて、例えば他の人が前やったらこうでしたみたいなことがあっても、実際自分の目で確かめるということを、実験とかする上でぼくの中で基本としてることですかね。メンバーに教えたりすることがあっても、基本はメンバー自身がやってみて感じたことを尊重しながらというか、そういうところは気をつけています。
温度と湿度を管理し、収穫するのに1番いい時期を待ちます。
どういった方が大地農園には合うと思いますか?
僕は結構特殊だからあんまり参考にならないかもしれないですけど、面白いと思えるかどうかでしょうね。僕の場合は実験とかしてたら、なんでそうなるのかとか、なんでこれが直せないんだろうとか、そういうのはやっぱりずっと考えてしまいますので、興味っていうのがそっちにあるのかなと思います。
うちの場合は英語力や専門知識はそこまで必須っていうのでもないのかなと感じてますね。むしろわかんなくて入って、『とにかくなんでも前向きにやってみよう』みたいな人のほうがいいのかもしれないですね。必要な知識は都度身に付けていけばいいと思っています。
次に、大地 岳紀さんにもお話を伺いました。社長の伹さんの息子さんです。
今回募集しているのは、工場の設備の管理をしていただく方です。詳しく言うと、商品を生産する設備の改善や補修をしたり、増産や拡大をする際の計画や、業者さんと相談しながら会社と業者さんの橋渡しみたいな役割をするようなポジションになります。
少し特殊なポジションなので、例えば2種第4類危険物取扱者の資格は必要になります。入社してからとってもらってもいいんですけど、そういう知識が必要ではあると思いますし、設備や機械に関わった経験がある方じゃないとちょっと難しいと思います。
大地さん自身も東京で7年間美術関連の仕事をしたあと、丹波市にUターンされました。
将来継ぐとか継がないとかいうことはもともとそんなに考えていなくて、大学が美術系だったのでそのままの流れでそういう仕事に就きました。特殊な仕事だったので、ある程度都会じゃないと成り立たないかなというのもありまして。でもなんとなくタイミングというか、結婚もきっかけで丹波に帰ってくることになりました。帰ってきたら不安とかプレッシャーよりも、あとはもうやるしかないみたいな感じでしたね。
日頃からいろんなことにチャレンジはしてるんですけど、ひとつでもちょっとでも前へ行ったりうまくいくような方向になったときはやっぱりすごく面白いと思います。反対に、難しいのはやっぱり結果がすぐ出てこないっていうことですかね。例えば、バラだと海外の農場に植えてもらう場合などは、植えたからには3年以上は仕入れをする義務があるので、来年すぐに変えられるかっていうとそういうわけにもいかなくて、市場の売れ行きとかも考えながら、3年先まで見据えたうえで計画していくっていうのは難しいことだなと思いますね。
敷地内の食堂では、先述の利根さんが育てられたお米が使われています。
今は社内でいろんな部署や業務を経験できるような形を作っていっています。会社としても、様々な部門の仕事ができるメンバーが増えると、それぞれの部署の繁忙期に合わせて人を当てられますし、働く人も、自分がずっと同じ仕事していくよりは、他のところも経験することで意外な面が見えたりとか、あるいは意外にこっちの仕事もすごく面白くて、自分の仕事も両方面白くなってくるっていうのが結構良い事例として出てきてるので、もっと社内でそれを活性化しようとしてます。
今回の方は少し特殊で専門的なポジションにはなりますが、それでもやっぱりそれだけではなく、工場の生産の経験もいりますし、実際に経験したら不具合とかもっとこうした方がいいんじゃないかっていう改善点も見えてくると思うし、そういうところは必要だと思います。
例えば今いる方の場合も、生産部門でずっとやってて、その中でも特性が合っていたので、本人も好きで、自分からどうやったらもっと電力のコストダウンをできるかとかそういう提案してくれたり、その経験があったうえで今のポジションについています。
今回は、どういう方に来てほしいですか?
まず仕事に面白みを見出してやれるっていうことが一番大きいと思うんですよね。やっぱり向き不向きもありますし、好きじゃないとなかなかやっていけないと思います。一番大事なのは前向きな姿勢ですかね。どこでもそうかとは思うんですけど、特にうちの場合は、今まで世の中にあったものっていうよりなかったものを作る仕事で、実験の連続なので、失敗してもいいからなんか前へ進めようとしてやるっていう姿勢が一番大事だと思ってます。
今回は少し特殊なポジションで、経験や知識が多少必要になりますが、機械に関わるのが好きな方、実験を繰り返しながら技術を高め、新しい商品を生み出していくということが面白いと感じる方は、ぜひ応募してみてください。
《正社員募集詳細》
求人番号 | 1)28130-2258581 2)28130-1335681 3)28130-1334381 |
求人情報の種類 | 一般(フルタイム) |
事業所名 | 株式会社 大地農園 |
代表者名 | 代表取締役 大地 但 |
所在地 | 〒669-3154 兵庫県丹波市山南町工業団地内 |
職種 | 1)プリザーブドフラワー加工前作業 2)生産業務 3)一般職 |
雇用形態 | 正社員 |
年齢 | 1.3)35歳以下
2)59歳以下 |
就業時間 | 08:30~17:30 (休憩75分)
時間外あり 月平均25時間 |
賃金 | 月給 基本給(月額平均) 1)165,000円~185,000円 1)250,000円~300,000円 1)165,000円~220,000円 |
就業場所 | 兵庫県丹波市山南町工業団地内 |
福利厚生 | 通勤手当:実費支給 上限なし 加入保険:雇用 労災 健康 厚生 退職金共済退職金制度:あり |
※この求人情報は、ハローワークが受理した求人票から、その一部を抜粋して掲載しています。さらに詳しい情報はハローワーク求人情報をご覧ください。
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