◆地域に開かれたさきやま苑~一般社団法人前山~
- 2017/2/5
- 女性向け記事

一般社団法人 前山。丹波市の市島町で、小規模多機能型居宅介護施設である『さきやま苑』を経営されています。
小規模多機能型居宅介護施設とは、定員が29名と小さい規模ではありますが、介護が必要になっても住み慣れた家や地域で生活できるように、状況や必要に応じて、「通い(デイサービス)」を中心に、「泊まり(ショートステイ)」や「訪問(ホームヘルプ)」を組み合わせて、24時間365日サービスを提供する施設。
このさきやま苑で、介護職に従事していただく方を募集します(こちらに詳しくは書いていませんが、調理員のパートも募集しておりますのでお気軽にお問い合わせください)。
さきやま苑があるのは、北近畿自動車道の春日ICを降りて、10kmほど福知山方面に走った、丹波市の北東の市島地域。目の前には小学校があり、付近には住宅や畑など、静かな田舎の風景が広がります。
理事長の余田さんと、施設長の山辺さん、介護職の依田さんにお話を伺いました。
まずは余田さんに設立の経緯などについて聞いてみました。
私はもともと生まれは三田市で、ずっと地方公務員をしていました。8年前に退職して、1年の準備期間を経て、翌年の4月1日にこのさきやま苑を開設しました。もともと現在理事をしている主人のたっての想いだったんですが、主人の身内に施設を経営している人がいて、前山地区にはそういう施設がないので、やってみたらどうやと誘いがあったことや、市の方で小規模多機能施設の建物を建てる際の補助金があったこともきっかけでした。
何よりもだんだん高齢社会になっていく中で、自分の家にも母がいるし周りを見ても年配の方ばっかりやし、この地域の高齢者を地域密着の施設でなんとか温かく見守っていきたいっていう想いは常々あったんです。でも主人も民間の会社員だったので、2人とも福祉についても起業についても何も知らないところからのスタートで、施設長の山辺さんには人脈から何から大変お世話になりました。
設立の1年前から兵庫県内の他の地域の特養とかの施設は見学させてもらって、表だけは見てたんですけど、経営者さんとかスタッフさんとかのご苦労なんかは聞かずにいたので、本当に怖いもの知らずで飛び込んだという感じでした。かえってそれが良かったのかなとも思いますけどね。
オープンしたときは、介護士やホームヘルパーの有資格者の方は本当に数えるくらいでしたし、ほとんどの方が素人さんでした。皆さん勉強されて今は資格を持っておられる方も多いです。転ばないようにするコツとかも毎日の経験はもちろんですが、資格を取得することを通して勉強できることも多いです。だから自分の時間は上手に考えて配分してもらって、この事務所の中でも出来ることがあればやってもらったら良いし、全面的に応援しています。
ここの職員さんはみんな優しいんです。みんな本当に言葉掛けはもちろんのこと、その人に合った支援・介助とか、よくやってもらってるなと頭が下がる思いでいっぱいです。施設としての想いも、職員一人ひとり財産と思って、大事にしたいと思っとるんです。でもちょっと今人手が足りないんで、なかなか無理ばっかり言って、それが私にとって今1番辛いことですね。
次に、立ち上げ以来7年間ここで働いていらっしゃる、介護職の依田さんにお話を伺いました。
もともと近くのグループホームで働いていて、ここができるときに施設長に声をかけてもらって働き始めました。介護職のうち5人くらいは立ち上げのときから今も働いています。ここの理事長さんとかは、職員をすごい大事にしてくれて、困ったことがあったらすぐ解決してくれますし、職場の雰囲気もみんな仲良くて楽しいです。
利用者さんも決まった方ばかりなので、認知症の方とかでも今日は昼までおらへんかったねとか、昨日休みやったねとか、顔を覚えてもらっていて気にかけてくれると嬉しいですね。あんたらがおってくれてなかったら私らここおれへんわとか言ってもらったら、やっぱり有難いなぁと思いますし。ただ、夜勤が1人なので、そういうときに急変とかされたらどうしようと少し不安だったり、利用者さんもだんだん年を取ってきて1人できることも少なくなってくるので、スタッフの人数が少ないときはしんどいです。
普段のお仕事の内容についても詳しく聞いてみました。
シフト制で早出と遅出と夜勤があるんですけど、それぞれ掃除や食事の見守りや介助、お茶出しやバイタルを測ったり、入浴の介助とかオムツの交換、部屋までの誘導など、毎日の生活の補助をしています。あとは担当になったらお昼のレクレーションで何をするかも考えたりして、輪投げや風船バレーなどゲームみたいなことをしたり、お話をしたりします。
経験のない方でも全然いいと思うんですけど、1番はこういう仕事が好きな方に来ていただけたらと思います。あとは利用者さんともお話してくれたり、他の職員とも仲良くできる方。職員の年齢も高齢化してきてるんで、もうちょっと若い方が来てくれたら嬉しいです。
私は実家も市島地域で、ずっとこの地域に住んでるので、利用者さんの中でも昔から知ってる近所の方とかもいらっしゃいます。馴染みがある分ちょっとお互いに気まずかったりもするので、全然知らない外から来られる方のほうがかえっていいかもしれないですね。
職員間では、シフト制なので交代のときとかにその日にあったことや変わったことなどをみんなで共有することは大事にしています。利用者さんに対しても、なかなか難しいですが、今日ちょっといつもと顔の様子が違うなとか、よく観察して小さな変化に気付くことが大切だと思っています。
最後に、施設長の山辺さんのお話です。理事長の余田さんのご主人とは昔からの知り合いで、社会福祉協議会(社協)の活動も知っていたので、施設を作るとなったときに協力してくれないかと声がかかったそうです。
私は、合併前は市島町の社協にずっとおって、ここが立ち上がる前は丹波市の社会福祉協議会におりました。そのときから、利用者さんのことを1番に考えたら、こういう小規模多機能型居宅介護の事業所をまず作らんなんやろうとずっと言うとったんです。特に市島町は5地区に分かれてるんですけど、この前山(さきやま)地区だけはここが出来るまでこういう施設がひとつも無かったんです。
そういう想いもあって、理事長からやりがいがある事業所を立ち上げたいんやけど、どうやと声掛けがあったときに、こういう立派な施設が市島地域で出来るなら応援させてもろて、やりがいもあるし、やっぱり利用者さんの家族と本人が満足してもろたら1番良いことやしと思って、施設長をさせてもらうことにしました。
現在、スタッフは18名いらっしゃいます。土日は利用者さんも少ない分スタッフも少ないですが、平均して事務所も入れたら7人くらいは出勤されているそうです。
ここは、デイサービスもヘルパーも相談のケアマネもショートも全部おんなじ職員です。順番に勤務帯で代わってるだけで、夜勤もせんなんし、家にも行かないといけません。例えば、普通のデイサービスの施設を利用されてる方だったら、その日だけ事情があって泊まりで利用したい場合は、1回1回ケアマネがアポを取って泊まりを受け入れてる他の施設に行くしかないんですけど、ここの場合は全て受け入れられるので、利用者さんにとっては、馴染みのある職員で心の繋がりが密に出来とるので安心して利用できると思います。
介護保険の相談が出来るケアマネージャーも3名おりますし、24時間いつ電話しても留守電ではない生の声で職員が出ます。急に熱が出たりした場合もここは全部医療機関に繋いで家族に代わって連れて行ったりもします。でもその代わり、職員は大変ですよ。私自身も運転手もし、相談役もし、レクレーションやお風呂の介助もし、よろず屋です。
目の前の前山小学校との交流会もよくします。利用者さんに話しに来てくれたり、音楽会や演劇を披露しに来てくれたりして、おばあちゃんたちも喜んでるし、元気もらえますね。保育園が近くにあったときは夏に一緒に流しそうめんをしたり、ボランティアとの交流もコーラスのグループが来てくれたりします。いろんな村のイベントにも作った手芸作品を出したり、見に行ったりもしますし、行事には参加するようにしてます。良い天気のときにはレクレーションとして、花見したり菖蒲見に行ったりということもあります。
小規模多機能型居宅介護というのは、丹波市が管理監督を持つ事業所なんで、丹波市内の方じゃないと利用は出来ないんです。やっぱり地域密着なので出来るだけ市島地域内の方を優先したいなぁという思いで、今は市島地域内の方ばかり利用者26名です。けどそれぞれ事情もありますし、場合によっては他の地域の方も受け入れたり、本人の思いと家族の思いを大事に考えながら、1番良い在宅で受けれるサービスという格好で進めてます。
この前山地区は市島地域の中でも特に高齢化が進んでて、高齢化率も53%になっています。そういう場所で、高齢者の方の思いに寄り添って、地域全体として高齢者が安心して暮らせるように、サポートしていきたいと思ってます。地域に開かれた“さきやま苑”みたいな感じで、この地区の介護とか福祉に関してのなんでも相談窓口にしていけたらと思っていますし、地域の会議のときとかも行かしてもらって、市役所行く前に近くのさきやま苑に来てもらったら相談乗るよと言ってます。
最後に、どんな方がこういったお仕事に合っていると思われるか、聞いてみました。
性格的に穏やかで、利用者さんが望んでることを理解して介助が出来るような、優しい人やないと難しいかなと。高齢者の立場になって仕事が出来る人だと嬉しいし、そういう人の方が長続きすると思います。自分が高齢者になったときにどうしてほしいか想像しながら、例えば誘導のときとかでも『早く動いて!』って言うより、ちょっと手でも引きながら『ゆっくりでいいでー』って言えるような方が合ってると思いますね。
あとは何か指示とかされたときに、その指示が小言に聞こえる方と気づきに変わる方やったら、介護の質にも差が出てくると思います。そういうのは人間ひとりひとり違うさかいに、心でやらんとアカンね。
いろんな仕事があってしんどいけど、やりがいはあると思います。ある程度福祉とか介護に興味がある方は、1度来てもらえたら説明とかもさせてもらいます。何も知らないで入るより、1度見てもらってからの方がいいと思うので、施設の見学もいつ来てもらってもいいですし、実習みたいな感じで仕事体験に来てもらっても嬉しいです。
経験や資格がなくても、介護や福祉に興味があって、このような小規模で利用者さんとの距離が近いところで働くことにやりがいを感じられるような方は、まずは一度足を運んでみて、施設の雰囲気をみてみることから始めてみてはいかがでしょうか?
事業所の所在地 | 丹波市市島町上竹田98-3 |
求人番号 |
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就業場所 | 丹波市市島町上竹田98-3 |
募集職種 | (1) 介護職員 (2) 介護職 |
雇用形態 | (1) 正社員 (2) パート労働者 |
給与 | (1) 月給 153,000〜175,000円 (2) 時間給 870〜950円 |
福利厚生 | (1)(2)ともに ・通勤手当:毎月6,400円まで ・昇給、賞与あり ・加入保険:雇用、労災、健康、厚生 【(2)の場合、加入保険は雇用状況により異なります。】 |
勤務時間 | (1) ・8:00~17:00 ・13:00~22:00 ・22:00~8:00 又は7:00~22:00の間の8時間程度(2) ・7:00~16:00 ・8:00~17:00 ・10:00~19:00 又は8:00~20:00の間の6時間程度 |
休日 | (1)(2) ともに 週休二日制 |
仕事内容 | (1) デイサービス・訪問(ヘルパー)の支援全般 (入浴、トイレ、食事、レク等の支援)※ 365日24h営業のため、日勤・夜勤があります。(2) デイサービス・訪問(ヘルパー)の支援全般 (入浴、トイレ、食事、送迎、レク等の介護及び見守り)※ 365日24h営業のため、勤務時間帯が不確定です。 (7時〜22時の間で応相談)(1)(2)ともに試用期間3ヶ月(同条件) |
必要な資格、経験 | (1) ・介護福祉士 または ヘルパー2級 ・普通自動車免許(通勤用) ・18歳以上 ・心身ともに健康であり、介護全般にわたり理解のある方(2) ・普通自動車免許(通勤用) ・心身ともに健康であり、介護全般にわたり理解のある方 |
事業所の概要 | 従業員数:20人 創業:平成22年 |
※この求人情報は、ハローワークが受理した求人票から、その一部を抜粋して掲載しています。