土と共に生きる百姓のしごと。生産活動としての農家、非生産活動としてのNPO~NPO法人丹のたね~<農業>

豊かな自然がある土地に移住して、農業に挑戦したい。そして農業はこだわりの無農薬で栽培して・・・。若くして農業を志す人にとって、無農薬で栽培する農業という響きもまた、目指す形のひとつかもしれません。20代で移住し、無農薬農家として活動する竹岡さんは、集落でNPOも設立しました。

農家としての土へのこだわりと、パラレルワーク

お百姓さんのお仕事って、土から恩恵を受けているのね。だから農業事業の半分以上のエネルギーを土を良くすることに注いでるよ。むちゃくちゃ手間も時間も、そしてお金もかかってるけど、あえてそこに一番エネルギーを注ぐのは、野菜を育てる上で土づくりを一番に考えてるからで。

竹岡農園では、生産活動を外部資材に頼らない循環農法に取り組まれています。具体的には、種の自家採種、米ぬかを原料とした肥料の生産などで、肥料生産の工程では、一次発酵した米ぬかを、酵素風呂として運営されています。

僕は、自然の力を引き出して安全で美味しい野菜を育てて、お客様に心から喜んで頂きたい。酵素風呂も野菜づくりも、里山でできた自然の恵みで、土も野菜も、人も喜んで欲しい。健康になっていく過程を見させてもらうのが、とても嬉しいよ。そして、普通に酵素を買ってきて野菜を育てたら、値段が高くなってしまうんだけれど、酵素風呂の土をまた肥料として活用する事で、仮に一般の野菜と同じ値で売ったとしても持続していける野菜生産が可能になる。

働くこと、収入を得ること、地域とつながること、色んな面で自ら考えて行動する機会が田舎や農業にたくさんあるのではないかと感じさせられました。「今までの事業の在り方・会社を大きくたくさん稼いで、という時代から、在り方や暮らしを追求する方へシフトしていきたい。不満や不安に囚われる人生はつらいかな。」と、竹岡さんのお話を聞いていると自分の生活やこれからの時代の流れを考えさせられます。竹岡農園さんのお野菜もそうですが、より良いものを追求する時代を、もしかしたら田舎暮らしだと身近に感じることができるかもしれません。

里山ようちえん ふえっこ

竹岡さんの立ち上げたNPO法人「丹(まごころ)のたね」では、自然の中で遊び、学ぶ、里山ようちえんを事業として行っています。保育士は奥さんの郁子さん。感受性豊かな子ども達にとって、この自然豊かな場所は遊び場であり、学びの宝庫のようです。

民宿 花乃家

2017年には、竹岡さんのご自宅の隣の家で民宿の事業もスタートさせました。竹岡農園がある丹波市笛路村の景観や、人とのかかわり。作物の育つ様子や収穫する喜び、思いっきりのびをして吸い込む空気は、経済成長する世の中にあって「忘れていた何かが、ここにある。」そう思わせてくれる素敵な空間です。

生産活動と、非生産活動

竹岡さんは大学生時代の地域活動で障がい者介護に携わっており、「芸術活動も介護も、基本的には非生産活動や。お金を生む目的で芸術も介護もしないやろ?」という先輩の言葉から、生活の糧を得る生産活動は農業に、利他的な目的のボランティアや非生産活動はNPO法人の中で活動されています。

農業は自分で時間を左右できる部分が多いから、しっかり生活を組み立てて、時間を空けておもろいことをやろう。って思えるようになって。僕が現場レベルで関わってるのは、笛路村に関係する「人が生活してきた里山というフィールドで、教育的・福祉的な活動をしたい」ってことかな。笛路みたいに土があるところっていうのは、昔から百姓が息づいて食材を生産して、そこで子どもが育って、大人になって役割を全うして、年老いていく。これが普通だと思う。でも今の時代はそれぞれが切り離されてしまって、違和感があって。

「青少年も、お年寄りも、子どもも、障害者も、色んな立場の人が里山に居場所があって、支え合って、成長・成熟できるコミュニティになっていけたらいいなって、一村人として思う」と語る竹岡さんの構想は、古き良きコミニティながら、未来を見据えた考えだと感じさせられました。

椴木舞さんは大阪から島根に地域おこし協力隊として活動するために移住した。任期終了後、両親が大阪から丹波市のお隣・篠山市へ引っ越したのをきっかけに丹波地域に住む事になった。地域おこしだけでなく農業や保育にも興味があったまいさんは、自分で竹岡農園を見つけ、仕事をさせてもらえないかと交渉した。当初は正社員としての雇用ではなく、スポットでのお手伝いから入ったが、現在は正社員として竹岡農園・丹のたねの事業に主体的に関わる。

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