◆【たんばで働く インタビュー vol.2】株式会社耕す 山畑さん
- 2020/3/10
- 技術職

自分で選んだから、充実感と自由な暮らしがある。丹波市で働く人たちが実際考えていることや思っていることはどうでしょう?求人情報だけでは分からない、働く人たちに迫ったインタビュー企画です。第二弾は、株式会社耕すで働く山畑さんに、会社を選んだ理由や働いてからのことについて、もう少し詳しく聞いてみました。
元々農業をやろうと思っていたのでしょうか?また、生まれ育った三木市でやろうとは思いませんでしたか?
そうですね、元々農業をやろうという事は決めていて、もちろん三木市でやりたいとも思ったし、探したんですよね。でも働ける場所が無くて、今の耕すを見つけたという事だったんです。
兵庫県で、農業の研修というプログラムもあったのですが実際は働くわけではないので無収入になるし、そのカリキュラムをこなしながら夜にバイトをしたりして稼ごうかなと思っていたんです。でも周りの人に相談したりしてると、それでは体力的に続かないとアドバイスをもらったりして。
なるほど、いきなり自分で始めるというよりは、どこかでノウハウを学んでやってみようという想いもあったのでしょうか?
学ぶ事が必要だと思って探したというところもあります。今、若い人たちの中で農業を始めたいと思っている人ってたくさんいると思うんですが、めちゃくちゃお金がかかるじゃないですか。個人でやろうと思ったら最初の機器を揃えたりもしないといけないですし。僕自身大学を出て、奨学金を借りてるんです。そんな中でさらに借り入れをして農業を始めるってなるとやっぱり難しさがあると思うんです。
それで、農業法人に入るという選択肢で色々と探したんですね。最初は地元から探して、無かったので兵庫県でやりたいなと思っていたら、丹波市の耕すを見つけたという感じです。
仕事の方はどうでしょう?イメージ通りでしたか?
そうですね、ap bankフェスの会社だという事には最初驚いたのですが、本当に実直に農業をやっているという感じです。僕自身もそれを望んでいたので、仕事には本当に満足ですね。
耕すで働き始めて約2年半になるのですが、就職当時いた農場長が独立されたんですね。働き始めて1年目には実質的に上司がいなくなって現場責任者になったんです。そういう意味では、いきなり責任が重くなった点だけは想像していた以上の大変さがありました。
1年目でいきなり責任者を任されて、確かに大変ですよね。急な抜擢だったんでしょうか?
農場長から独立のタイミング等は聞いていたので、来年は自分でやっていくんだという心の準備はできていたんですよ。自分の性格的に指示・指図されるよりは自分で動きたい人間なので、その点は良かったなと思っています。
ただ、大変だったのは後進の人を育てることで、例えば覚えるスピードとか、
自分がさらっとできたことを、なかなか自分のイメージしたとおりにできてくれないんだなと感じることが多くて、壁にぶちあたりました。
なんでこんなに遅いんだろう、なんでできないんだろうって思ってしまっていた時期がありました。
2年目にして責任者としての壁にぶつかるのも珍しい気がしますね・・!とても良い経験をされているように感じます。
そうですね、仕事の壁にはぶつかりましたが、自身の独立に向けてとても良い経験ができていると思っています。ちょうど、きつかった時に丹波市に移住する相談をした移住相談窓口の井口さんに話を聞いてもらったんです。
その話が、プロ野球のコーチをされていた方の講演の話だったのですがその方は1軍の選手を教えてきて、2軍の選手を教える事になった時に自分の目線を下げて考えないといけないと感じたそうです。
その話を聞いて、僕のマインドが変わったというか、イライラしなくなりました。遅くてもいいかな、って思えるようになって。遅いなら何か別のところでサポートしてもらうとか、そういう考え方に変わってきたと思います。
しっかり壁にぶつかって、乗り越えてと、とても堅実にキャリアを積んでおられるようにお話を聞いていて感じます。今後は仕事で何かやっていこうと思っている事等はあるんでしょうか?
そうですね、1年責任者としてやってみて課題とかこれをもうちょっとこうしたらいいのかな?と考える点があったのでそれを改善していく一年にしたいなと思っています。うちの会社は千葉の木更津にも農場があるのですが、木更津の農場長も現場に来てくださって現場の課題等を擦り合わせて改善して、良い結果が出た手応えを感じられたので、また課題を解決していきたいと思っています。
例えば、改善としては前の農場長と話してて「種類をつくりすぎなのが利益効率化できていない原因だね」という話になって。僕としては多品種の野菜をたくさん作ってみたかったのですが、納得の上で減らす方向で考えてきました。その結果かなり効率化できたと思います。
とはいえ、どうしても作りたいという希望は上司も聞き入れてくれるので、太ネギ、ラディッシュ等作りたいなと思った品種については、小さな実験はさせてもらえています。
本当にしっかりと農業人としてのキャリアを積んでおられれますね、会社のインタビューでお話を聞いた時から話がブレていなくてすごいなと思いました。最後に、山畑さん自身の今後の展望等について、お話を聞かせて頂いても良いでしょうか?
はい、僕も2年後には独立しようと考えています。作業性や利益率をきちんと考えて土地や野菜の品種を選んだりしていきたいと思っていて。やっぱり出身の三木市でというのは考えています。ただ、他の地域も考え出した時に、やっぱり丹波市の野菜は美味いな。って思います。そういった農業を始める場所も含めて、2年間で自分の独立のことについてもしっかり考えていきたいですね。
大学生の時から農業を志し、そのためにどうするか、どうやったらできるかを自分で選択して丹波市に来られた山畑さんは、20代のワカモノですがとてもしっかりとした考えをお持ちでした。シェアハウスに住んで地域の様々な人と繋がり、自分のやりたい職業について生活をつくっていく。そうして始まった山畑さんの丹波市での暮らしも仕事も、年々と変化していくようです。山畑さんのように意思のある人、自分でやりたい、と思う人にとって今の環境はぴったりと合っているように感じました。責任者としてマネジメントも学びながら、今後の独立を視野に入れたキャリアを積んでいく、そんな山畑さんの仕事に未来を感じるインタビューでした。