
今回は、車の修理や整備、鈑金(ばんきん)、塗装などを行う足立自動車鈑金さんへ伺いました。大手企業からも信頼を得て修理や修繕等の多くの仕事を任される同社は、高い技術力を持った技術者を抱える会社です。「大手の看板を背負っている気持ちで手を抜かず徹底した修繕を行う」とお話する社長に、今後の会社の方針や、技術者の皆さんに会社の雰囲気についてお話を聞いてきました。
・値段競争ではない、大きな仕事を任される「信頼」。それを支える技術者の技術力
・自動運転車の整備も請け負う会社へ。着実に事業を伸ばし従業員に還元
・高い意識を持って「完璧に納得する仕事」はない。だからお客様に心から喜ばれる
足立社長にお話を伺いました。社長はトヨタ自動車の専門学校を卒業後、鈑金屋・塗装屋で働いて技術を磨き、丹波市に戻ってこられました。約5年前に先代の社長から代替わりし現在に至ります。

専門学校と大阪の仕事で技術を磨いてこられたと伺ったのですが、元々会社を継ぐつもりでおられたのでしょうか?
初めはそんなつもりはなかったですね。 どこかに働きに出ようと思っていたのですが、親と相談して帰って来ることにしたくらいで。 鈑金屋で働いて塗装の仕事をして、ずっと大阪で仕事をしていく予定やったんです。だからちょっと待ってほしいと親には言って。3年から5年力を磨いて帰ろうとは思って、丸3年ぐらいは大阪に居ました。
実際に地元に帰ってきてみて、大阪で働いていた時との変化や暮らし・仕事の違いはありましたか?
変化という程では無いですが専門学校に行って寮生活をしていたので、一人暮らしをする方が気が楽な面はありました。ただ、炊事洗濯は自分でやるとか、トヨタにいた時は家に帰るのが22時を回っていましたからね。帰ってからご飯を作って、朝は8時前には家を出て行って。それが地元に帰ってきたら友達もおるし、ご飯も洗濯もせんでいいし気が楽でした。大阪の暮らしも楽しいけれど帰って来た方が気が楽やし、どっちもどっち。良い経験が出来たと思います。

ご自身が鈑金の仕事をしていたからこそ。現場でのコミュニケーション
現在は会社全体のお仕事の管理をされていると思うのですが、ご自身も長く現場で働いて来られて、仕事をする上で大切にされている事はありましたか?
そうですね、折れずにやって来れたのは苦労して直した仕事が完成した時の達成感とかですね。鈑金の場合、手間がかかるやつはとことんかかるんで。そこで挫折ではないんやろうけれど、だれでも100%は出来ないと思うから。一日一日を精一杯出来たら家に帰ってリセットをして、クヨクヨせずに引きずらんと次の日の朝に仕事に行く。根詰めたらシビアな仕事もあるんで、一日の中で失敗したことや出来なかった事があったとしてもそれは線を引いて、というのはやってきましたね。
なるほど。現場を経験している社長ならではのリセット方法ですね。今は社長としてのお仕事として管理をする事が多いと伺ったのですが、現場に行って従業員とコミュニケーションを取ったりもよくされていますか?
なるべく現場まで歩いて行って声掛けをしようと思っています。ただ、事務所で見積もりをしたりしていて行く暇が無かったり、こっちが待っていたら機会が少ないですよね。現場に行ったら作業内容的なことでも声をかけてもらえるし。一緒に考えられるのが良いですよね。 僕も現場に入っている時そうやったけど、(先代の)社長に声掛けてもらったらやっぱり嬉しいもんで。だから今は僕がせなあかんと思ってるけどなかなかです。

やっぱり見てもらえると嬉しいものですね。
そうですね、先代にしろ上司にしろ、やっていることを見てくれているということがね。現場入っていると、孤独・・・ではないけれど、マンツーマンの難しい仕事とかが入ることもあるんです。そういう時に見てもらっているとちょっと安心できるんじゃないかなと思います。
もちろん声をかけて欲しくない人もおるかもしれんけど、褒めてもらって嫌な人はおらんと思うから。モチベーションアップじゃないけど、していかなあかんなって思っています。
値段競争ではない、大きな仕事を任される「信頼」。それを支える技術者の技術力
ありがとうございます。少し話は変わるのですが、国内大手ディーラーからのお仕事も受けておられるとお聞きしました。他では修理できないものも修理できるんでしょうか?
そうですね、要するに大きい仕事がうちにまわってくるのは、先代の頃からそうなんですが、小さい仕事で誰でも出来る仕事だと、結局は値段競争になって、安い所にばかり行くんです。ですが、信頼は1、2年で築き上げるもんじゃない。信用がずっと続いてるからこそディーラーの看板を背負った修理がうちに入ってくる。ということはメーカーの仕事として、現場の技術を信用しているわけやから従業員には誇りを持ってもらっていいとも思っています。現場の技術の成果が今にあるということやから。引き継いで行こうと思ったら、若い技術者を入れてレベルを上げて伝承していかんと、と思っています。

ある意味、大手ディーラーの看板を背負っているくらいの気持ちですね。
じゃないといかんのですよね。やっぱりその品質をうちもしていかないと。もちろん、どのディーラーからの仕事にしてもね。
技術者の1人である磯さんは、淡路島から一人で来てやってくれています。 専門学校の日産学園で学んで今は3年経ったところです。整備2年で、鈑金1年、うちとしては初めて専門学校卒業の人を採用しました。一時辞めるという話とか色々あったけど頑張ってやってもらって。今では頼りにしていて、中堅でしっかりやってもらっています。

社長からご紹介頂いた磯さん。淡路島から丹波市に移住してこちらで働いています。お仕事としてはフレームやドアを直したりするお仕事です。足立社長も「修理に来た車のバンパーを付けたり外したり、骨格部位を修繕したり。技術がいるところをやってくれています。 」と信頼されている技術者です。
磯さんにも少しお話を伺って良いでしょうか?今のお仕事で、自分のイメージ通りに仕上がる事ってあったりしますか?
うーん、そうですね・・・。日々努力はしているのですが、完璧にするのは難しいですね。もちろん、時間の許す限り納得いくまで修繕するのですが。
自分の技術がまだまだスキルアップする必要があるというイメージですか?
それもありますし、直した段階で新車より綺麗に直すというのが目標なんで。やっぱりそれがなかなか無理なんです。
足立社長も「こういう意識があるから、本人が出来ていないと思ったとしても全然できとるんですよ。レベルが高いところを目指してるから。 僕はお客さんに会ってるから知ってるけど、みんな喜んでくれていますよ。文句を言う人なんていなくて。思っていたよりきれいやな。新車以上になったなとか。そう言ってくれます。」と磯さんの仕事を高く評価されているようです。

クレームがほぼ来ていないというのはすごい事だと思いますが、完全に納得する事なく、目標を高く持っているんですね。だからトヨタも含めて大きい会社も安心して任されるという事ですよね。
そうですね、やっぱり完全に納得いくことは難しい。より新車に近づけるような修繕をしてお渡しをしています。それは、ディーラーさんの看板を背負っている気持ちもあるし、学校を卒業してから就職しているので学校の看板もあると思っています。
一度、整備の仕事を扱う会社から誘いがあり、転職を考えた事もある磯さん。社長からも引き止められ、一から整備を学ぶより鈑金の仕事をやっていこうと会社に残る事を決めたそうです。

自動運転車の整備も請け負う会社へ。着実に事業を伸ばし、従業員に還元する
最後に、足立社長にお聞きしたいのですが、今後会社を伸ばしていこう、成長させていこうという事は何かお考えでしょうか?
そうですね、今後「特定整備」といって、車の方も進化して、もう一個免許が必要になるんです。自動運転の車の関係で。整備士の資格を前提に、基準を満たしていないと取れない仕事なので、実技と学科、その後試験があって、特定認証が取れるわけです。
どこの会社でも修理が出来るというわけではない時代になっているんです。そうすると、必然的に仕事って淘汰されていきますよね。うちはディーラーの下請けもしているし、そういう資格をもっていれば食いっぱぐれはない。世の中の仕事量が減ってきても、仕事自体をできない会社があるわけやから、そういう仕事がこっちに入ってくる。どれだけ車の仕事が減っても、請けられる会社が減ってくるから。この先は。
技術だけで判断ではなくて、資格とか?
そうそう、認証制度とかあとは保険会社の信用。そういう仕事をするためにやっぱり技術を持っている人が会社にとっては一番大事ですよね。今、新型コロナウイルス感染症の影響で業界全体の仕事量は少ないんですけど、うちは少ないながらもある状態なんで。それは僕も自信持ってやってほしいと思う。

なるほど。若い人も整備士として小さな会社では出来ない経験とかもできるようになってくるということですね。
今100年に一度の改革になっていて。勝ち残っていけばもうちょっとやっていけると思う。みんなで一緒にやれるところをやっていきたい。クビ切ったりするのは好きじゃないんで、いてる従業員とやっていきたい。給料もしっかり払って、おって良かったなって思ってもらいたい。次入ってくれた人も、「先輩ってやっぱすごいな。こんな先輩になりたいな、目指したいな。」と思ってもらえるようになってほしいし、そういう会社作りをしっかりやっていきたい。
ご自身も技術者として経験を積まれた社長だからこそ、現場の考え方や思いもよく分かるのだろうなと感じます。今は社長として車業界全体の事を考えながら、今後の会社を伸ばしていく事について考えておられます。「クビを切るのが好きじゃない、いてる従業員とやっていきたい。」とお話している様子は、ただのお金だけの関係じゃなく、コミュニティがしっかり残る丹波市の土地の人らしい考え方だなと感じました。100年に一度の改革が起こっている車業界。ご興味がある方は是非一度足立自動車鈑金さんへ、お問い合わせしてみてください。
《フルタイム職員募集詳細》
求人番号 | 28130-453811 |
求人情報の種類 | フルタイム |
事業所名 | 足立自動車鈑金 株式会社 |
代表者名 | 社長 足立進 |
所在地 | 〒669-3403 丹波市春日町長王583番地 |
職種 | 取引先への営業及びフロント業務 |
雇用形態 | 正社員 |
年齢 | 59歳以下 |
就業時間 | 08:30~17:15 時間外あり(月平均10時間) 休憩時間85分 |
賃金 | 月給 基本給(月額平均) 188,000円~188,000円 |
就業場所 | 〒669-3403 丹波市春日町長王583番地 |
福利厚生 | 通勤手当:実費支給 上限あり(18,000円/月まで) 加入保険:雇用 労災 健康 厚生 退職金制度あり(勤続3年以上) |
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