【社長対談Movie #14】暮らし・世界をよくしていくデザインと設計。地域に根ざす建築事務所は大学生の時、まちづくりの提案からはじまった〜SAJIHAUS~<建設業>
- 2021/9/17
- 技術職

安)こんにちは。たんばの仕事ローカルキャリアオンライン。本日は丹波市の青垣町という宿場町の街道を、空き家を活用して色んな街づくりをされている、佐治倶楽部の事務局をされていて、サジハウスという建築事務所をされている代表の出町さんにお話を伺いに来ました。よろしくお願い致します。
出)よろしくお願い致します。
安)サジハウス話の前に、佐治倶楽部さんのことを聞きたいなと思っています。青垣町っていう宿場町があって、色んな古民家が並んでいる様なところで空き家の活用を色々されてきていると思うんですけれども、その最初の経緯とかどういう地域への思いから始まったのかということを伺いたいです。
【この仕事を始めるまでの経緯】
出)スタートは遡っていくと、僕が大学の時に建築学科で勉強をしていて、建物の設計をするというよりかは、古い町並みとか暮らしとかそういったものをデザインしていくような仕事をしたいなというのがあって。大学を卒業した後、就職をせずフリーランスで活動して、自分のやりたいことができればいいなと思って活動をしていたんですけれども。その時にたまたま、この丹波市の方で青垣町の佐治っていう街ですよね。ここで、まちづくりの提案を募集している企画があってそれに応募したと。その時提案した内容っていうのが、こういった空き家を使って自分たちで改修をしながら色んな人に改修を関わってもらって、繋がりが作れていったりしていったらいいんじゃないかというので。そういうことを提案したのがきっかけで。
安)それは今から何年前位のことですか。
出)それはもう2006年かな。だから15年位前ですね。
安)それこそ、15年前とかって空き家活用とかリノベーションとかってあんまりなかったですよね。
出)ないね。どっちかって言うと空き家活用とかも観光地。要は昔の古い町並みを保存して、それをめがけて観光客を呼び寄せるというような形のことをやったりしていたけれども。要はテーマパークですよね。テーマパークを作っていくみたいな感じで。それはまたちゃうなぁみたいなのがあって。僕はテーマパークを作りたいわけではないし、暮らしていく場所として、どういう風にデザインをしていくのかというのが中心にあって。暮らしを良くしていく、楽しくしていくためのデザインをしていきたいというのがあったので、そういうのをやりたかった。これからどんな地域にしていったら良いだろうかというのを考えながら、空き家の活用に取り組んでいくみたいなそういった形でやりたかったというのはあったので。
安)外からの人たちも結構絡んでくれるようになったということですよね。
出)そうですね。
安)それはワークショップとか。
出)そうですね。だから大学として関わり始めているので、最初は。僕がコンペを提案してそれが丹波市長賞をもらって。丹波市も面白そうやからぜひその提案をぜひ実現しましょうと。青垣町で空き家を使って、大学生とか地元の人が関わりながら面白いことやっていきましょうみたいなところに共感してもらえたので、事業としてはスタートしたんです。そこで、1つ辿り着いたのが佐治倶楽部っていう空き家を活用するサークルを地域で作ろうというところに辿り着いて。それが2011年だから、佐治倶楽部は10年。11年目なんですよね。
安)具体的に言うと、10年で何棟ぐらい。
出)佐治倶楽部としては実際は一棟なんです。関西大学の大学として、国の補助金とかをもらって改修した建物が2件あって。そのうちの1つがこの関西大学佐治スタジオっていう場所ですけれども。もう一つ別の団体で改修をかけていますけれども、一緒に共同で管理している建物。佐治倶楽部自身で改修した建物は1つです。
安)次はサジハウス。出町さんがやっていらっしゃる事務所の方の話。屋号に佐治という名前を入れたというのは、何かそこに思い入れがあるのだと思うんですけれども、ご自身がやっていっている自分の建築に関する考え方とか、その辺を少しお伺いしたいと思うんですけれども。
【サジハウスの経緯】
出)元々大学にいる時から、設計事務所を自分でやりたいという思いはずっとあって。設計事務所をしたいけど、できるんかなぁという思いはあったんだけど。逆に既存のルートじゃないからこそ面白くできるかなというのもあって。やってみたら、この丹波市に来るようになって、古い家の改修とかを実際自分でやるようになって、やっぱりすごく面白くて。活用することとか、トータルで仕事にできると面白いんじゃないかなと。そういうことができる設計事務所を作ろうということで思い立ったというか、立ち上げたというのが佐治ハウスという設計事務所なんです。「佐治」って言う名前が入っていて「ハウス」やから、家を作るっていう感じの。佐治の家を作ると言うことを勝手に思われがちなんですけれども、2つの意味があって。1つは「バウハウス」って言う昔のドイツの建築学校っていうのがあって。そこのところから文字をもらっているんやけれども、その「バウハウス」っていうのは建築も良いんだけれども、建築以外にもプロダクトとかグラフィックデザインとか、色んなことの時代を作ってきた、そういう思想があって。地域性のある場所で拠点にして、世界をデザインしていくような設計事務所ができたらということで。それで佐治って言うこの地名をつけて、ゆくゆくは色んなところでその屋号を持って仕事をしていくことに僕は意味があるんじゃないかなと思って。それでそういう名前をつけて。
安)本当にでも、地元のおばあちゃんからしたら、あの古い家が綺麗になってなぜかサイフォンで学生が入れる酸っぱいコーヒー。全部がもう意味が分からん。えーみたいな。ハテナみたいな話ですもんね。
出)何が起こっているのかみたいな。
安)それを楽しんでくれているのは、ちゃんと巻き込んできたからというのがありますよね。
出)そういうことなんだろうね。日々心がけているのは、何か何気ない会話を大事にする
。地域の人とできるだけお話をして、どんなことに困っていたりだとか、どんな事を求めているのかとか、そんなことも感じつつ。ここでコーヒーを毎週月曜日出店してもらっているんですけれども。それなんかも、地域にそういう場所がなくなってきているっていうのを、地元の人が寂しがっているというのを、話をしているとすごく感じるところがあって。何かふらっと立ち寄れる居場所をね、作っていきたいなというのがあるので。そういう思いに賛同してくれて植地くんもやってくれているし。
安)ちょうどまぁ、そのままの流れで佐治ハウスさんとしては求人っていう形ではなく、思いに共感してくれた人に一緒にやろうよっていう話になってくると思うんですけれども。今、佐治倶楽部としてサジハウスとしてでも良いですけれども、青垣町でこういうことをやろうとしていて、こういう人がいたらぜひ来てくださいというところがあれば。
【求める人材は?】
出)佐治倶楽部の話をちょっとさせてもらうと、空き家をこの佐治の宿場町の中で4件管理をしているんですね。それはチャレンジショップって呼ばれるもの。自分でやってみたい、カフェをやってみたい、バーをやってみたい。もしくは、お店をやってみたいっていう人が、いきなり自分ではお店を持って何かをやるっていうのは、やっぱりリスクがあって。そういう時に、まずはワンクッションお試しができる場所があったら何かすごく始めの一歩が踏み出しやすいんじゃないかなというのがあって。特に都会と違って、ここはいきなりやってすぐ成果が出ないから。お客さんすぐに集まってこないんで、そういうのがあってね。そういうお試しの場があると良いんではないかなということで、佐治倶楽部では管理している4件の空き家をお試しの場として使ってもらえる事業をやっていて。当然会員になって使用料を払ってみたいなルールはあるんですけれども、まぁそんなんでね。彼は毎週月曜日はUGGコーヒーっていうのをやってもらっているし、毎週水曜日であれば本町の家っていう別の建物で文房具屋をやってくれていたりとか。僕自身も毎月月末にはここで佐治スタジオでBARを。地元の農家さんとかと一緒にやっているんですけれども。まぁそんなんがあったりとかね。そういう活動とかをしているので、ぜひ最終的にはどっかで起業して自分で何かやりたいねんけれども、それまでにいきなりは難しいから。けれど、何かやってみたい、カフェやってみたいなとかBARやってみたいなとか、お店をやってみたいなという人がいたら、そういう人たちのお試しの場として是非使ってもらいたいなと。
安)なるほど。たんばの仕事ローカルキャリアオンライン。本日は佐治倶楽部という街並全体を空き家活用して面白くしていくっていう活動を事務局でされているサジハウスという建築の事務所もお持ちの出町さんにお話を伺いました。本日はありがとうございました。
出)いえ、こちらこそありがとうございました。